「28年後...」、人間が人間ではなくなる!

ひろ12345

おすすめ度 ☆☆☆★  (劇場鑑賞)

イギリス・アメリカ合作

人間を凶暴化させるウイルスが蔓延した世界を舞台に繰り広げられる死闘を描いたサバイバルホラー。

人間を一瞬で凶暴化させるウイルスがロンドンで流出し、多くの死者を出した。感染を逃れたわずかな人間たちは、ウイルスが蔓延した本土から離れ、孤島に身を潜めていた。対岸の本土にいる感染者から身を守るため、島の人々は見張り台を建て、武器を備え、コミュニティの厳しいルールに従い、安全に暮らしていた。そこに暮らす家族が、ある任務を実行するため、島を出て本土に向かおうとする。父親のジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と息子のスパイク(アルフィー・ウィリアムズ)だ。“その子にはまだ早い”という人々の忠告を、ジェイミーが“大丈夫だ”と説き伏せ、2人は頑丈な門の外に出る。本土と島をつなぐのは、一本の土手道だけ。そして、島を離れて本土に行けば、誰も助けには来ない……。美しく緑豊かな大自然が広がる本土だが、感染者はどこに潜んでいるか分からない。弓矢を構えて森を抜ける2人の前に、変わり果てた感染者の群れが現れる。人間の頭蓋骨が積み上げられた塔。人間が人間でなくなった世界……。そんな世界で、2人は驚くべきことに、感染を逃れて生きる人間、ケルソン博士(レイフ・ファインズ)と出会う。彼は“感染者は進化している。もう別物だ”と語る。人間と感染者の凄まじい戦い。命がけのサバイバル。黄色い花畑の中から現れる感染者。ジェイミーが叫び、逃げる。スパイクと母親(ジョディ・カマー)が、赤ちゃんを抱え、決死の形相で走る。銃撃戦を繰り広げる兵士たち。母親と感染者の死闘、岸壁の上で抱き合う親子……。

かくして私たち観客は、初めて本土の地を踏んだスパイクの無垢な視点を通して、想像を絶する28年後の光景を目の当たりにしていく。一新されたのは世界観だけではなく、レイジ・ウイルスの変異株に冒された感染者は複数の種類に枝分かれしている。森の中を四つん這いでうごめく“スローロー”のおぞましい風貌と生態には、誰もが「うげーっ」と嫌悪感をもよおすだろう。それ以上に警戒すべきは、体格と運動能力の両面が増強された“アルファ”だ。この恐るべき怪物に遭遇したら、原始的な弓矢しか武器を持たない父子は闘わずして逃げるほかはない。